あ し あ と 。

生きてます。自由に。

札沼線に恋して。 その一

 

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みなさんは、乗り物に乗っていて喜びのあまり涙を流したことはあるだろうか。

 

マニアな方なら、あるいはあるのかもしれない。

 

 

 

わたしには初めての体験だった。

 

 

 

 

汽車に乗っていて外の景色を眺めていたら

なんとも言えない幸福感が込み上げてきて

気がついたら涙がはらはらと流れ落ちていた。

景色が美しいとか

夫との時間とか

旅のワクワク感とか

そういう今まで知っている「理由ある喜び」ではなく(もちろん、それらの要素も混じり合っての結果だけれど)

純粋に魂が喜んでいる、あの感覚。

「これ!これ、すごく大切!!」

 

   

 

このときからわたしは恋に落ちたのだ。

 

 

 

札沼線という、札幌(厳密には桑園)と新十津川を結ぶ、一日一本しかディーゼル車が走らない、無くなってしまうかもしれないローカル線に。

 

 

 

 

 

 

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新十津川行き


 

 

 

それまで、汽車も電車も全く興味が無かった。

札幌っ子のわたしは移動手段は車、或いは地下鉄で、電車など滅多に乗ることもなく

たまに乗っても乗り換えが複雑でどちらかというと利用は避けていた。

移動なんて早いほうが良いと思っていたし

面倒なのも嫌いだから、いかに乗換無しでスムーズに目的地に到着するか、それしか考えていなかった。

 

 

 

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もちろん車両にも興味は無い

 

 

 

 

新十津川に移住することになって

札沼線なるものがあることを知り(さすがに学園都市線は知っていたが)

新十津川駅が終着駅であること、

一日一本の往復しか無いこと、

マニアの間では人気であること、

でもいつ廃線になってもおかしくないこと、

そしてそれを守ろうとする地元のひとたちが居ることを知った。

 

 

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以前だったら「小汚い駅」で終わっていたかもしれない

 

 

鉄道にも電車にも何も興味が無いわたしたちだったけれど

それらが「オラが村のこと」になると、話は違ってくる。

それから何度が札沼線を利用して、札幌から新十津川へ、あるいは新十津川から札幌へ、帰った。

 

 

 

オラが村の、という愛着から実際に乗って感じる、

社内に溢れるマニア感(これ大好物)

一日一本、これも無くなるかも!?な希少価値感

 

 

 元々オタク気質なわたしたち

 

わたしも

夫も

あっという間に札沼線に虜になっていった。

 

 

 

 

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終着駅

 

 

 

 そして、はじめてふたりで往復したとき

帰りの便でわたしは泣いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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到着した朝にふたりで

 

 

 

 

前日は新十津川の新しい仲間と、偶然にも古い仲間にも再開して楽しい一夜を過ごした。

 

 

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夫と新十津川の仲間

 

 

 

 

 

翌朝、いつもの時間に駅に行くと

乗客にまじっていつものお迎え&見送りの園児たち、

そしてたくさんの知った顔があった。

 

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いつもお出迎え&お見送りしてくれる園児たち



 

 

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またねー!

 

ディーゼル車に乗り込み、窓の外のみんなに手を降る。

出発した汽車に、遠くなるわたしたちに、そこにいるみんなが大きく手をふって見送ってくれた。

 


その姿に、まず胸が熱くなる。
 

 

 

 見送ってくれるみんなと車内や車窓の景色はこちらをどうぞ

 

www.youtube.com

 

 

 

 

 みんなの姿が見えなくなって

 

早速サッポロクラシックをあけてひとくち。

 

 

昨晩のことや、新十津川での新しい暮らしを語りながらしばし盛り上がる。

 

 

 

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札沼線でクラシックとザンギ!!ザ・北海道!!

 

 

 

 

 

 

 

景気はどこまでも真っ白で

 

言葉もだんだん少なくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふたりとも、毎回いちおう本なんかを用意するのだけど

全く手が出ない。

 

そんな時間がもったいなくて。

 

 

最初の頃はTwitterだのInstagramだのに張り切ってアップしていたけれど、

 

それもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

かたんことん

 

 

 

 

 

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車窓からの景色はいつも違う

 

 

 

ただ黙って

 

そとの景色を眺めていたら

 

 

 

 

 

 

自然と胸が熱くなり

涙があふれていったのだった。

 

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ただただ流れ落ちる涙


 

 

 

 

 

 

 

何を焦っていたんだろう

何を急いでいたんだろう

何を成し遂げなければならなかったのだろう

 

「簡単、早い、便利、それで良いの?」そんなことを世に問うてた自分…

 

 

 

安近短の正反対の札沼線でのひととき…

 

 

 

やらなくちゃいけないことも

やってはいけないことも

わたしを縛り付けるものは何にも無いのだ。

ただ、いまここに居る自分。

ただ、それだけでいい。

 

 

 

 

 

 

ここにもひとつ答えがあった。。。

 

 

 

 

 

 

飛行機では味わえない

もちろんマイカーでも満員電車でも無理

 

 

ゆっくりと静かに「自分と向き合う時間」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札幌から片道約二時間。

到着したら10分後にすぐ戻るだけ。

往復したら約五時間。

 

でも、そこに半日かける意味はある(と思う)

 

 

みんながみんな、わたしと同じように感動はしないかもしれない。

 

 

 

 

でも

みんなにもこの時間を味わってみてもらいたいな。

 

 

 

 

 

この時間で

 

なにか、気がつくかも。

なにか、見つけるかも。

なにか、思い出すかも。

 

 

 

 

 

 

単なる「自分の楽しみ」から、

 

「みんなにも知って欲しい」

「みんなとわかちあいたい」

に気持ちも成長しました!

 

 

 

みなさま

是非、札沼線で終着駅新十津川へ!

 

 

 

 

 

 

 

溢れ出る想いが止まりませんので今日はここまで(笑)

 

 

 

つづく。