ゆだねきる旅 14日目<山形県>
今日のお宿は最上川の河川敷。
最上川ったら意外に野性味溢れる川で驚いたわ。
さて、今回山形入りしたのはハッキリと目的がある。(上の画像でだいたいわかったと思いますがw)
予定にはまったく山形は入っていなかったのだけど、今回もゆだねきり効果でちゃあんと情報が入って来た。
栃木で目覚めた朝に、大麻の糸績み仲間(というか先輩)の京子さんのことが頭に浮かんだ。
センサーピコーン。
これはナニカあるぞ。
で、すぐに彼女のFacebookを見に行くと(旅の間は自分の投稿はしていたけど人の投稿を見る事はほとんど無かった)、山形の紅花染め工房のことをシェアしていた。
さらにセンサーピコーン。
去年、生まれてはじめて自分の意志で誂えた着物が紅花染の紬。
それ以来、紅花に恋をしてしまったわたし。
どっちにしても紅花資料館には行きたいと思っていたので
その場で「山形行く!」とコメント。
「午前中なら(その工房に)ご一緒出来るよ〜」との返事。
うおーーーーーーーー!!
資料館じゃなくて、実際に染めている工房を見学出来るとは…!!!!
宿泊地のすぐそばに道の駅があったので朝寄ってみた。
梅吉とお散歩していたら、職員の方が「めんこい子だなー!うちも柴犬飼ってるんだわ」と話しかけてくれて、館内を案内してくれながら紅花から名産品からお土産からいろーんな面白いお話を聞かせてくれました。
河北町がスリッパの名産地とは…。
紅花資料館の割引券もくれたー♡
幸先良いぞ♪
さくらんぼソフトクリーム美味でした♡
さて、いよいよその紅花染め工房「鈴正」さんへお邪魔いたしまする!!!!
どーん
着くなりお母さんが山菜料理と美味しいお茶でおもてなし♡
遠慮無くいただきます〜〜〜♪
久々の再会を果たした京子さん、聞けば「午後から予定が入っていたけど、天気が悪くてキャンセルになったから、一日遊べるよ♪」だって。
ほら〜
ちゃあんと、そういうことになっとるのよ♡
そしてここにもちゃあんと精麻が。
「ちゃあんと来るべきところに来た」と雪様も大喜び!
お父さんが畑で作業中だというので、まずはそちらのお手伝いさせていただこう!
わーい畑だー!土だー!!テンションあがるー♪
おとーさん、はじめましてー!
北海道から(京子さん曰く)変なひとが来ましたよー(笑
紅花だけじゃなく野菜も育てている(紅花は連作が出来ない)ので、除草などのお手伝い。
まだまだ元気とはいえご高齢でひとりで全て作業していると聞くと「近かったら通うのに!」と思わずにはいられない…
ここが種まきしたばかりの紅花ゾーン。
紅花はアルカリ土壌を好むので石灰はたっぷり。
気温の低さも気になるので籾殻で保温。
高温乾燥を好むみたいです。
北海道でも育ててみたいが、気温はそう上がらんぞ。ちゃんと育つのだろうか。
紅花ゾーンでアーシング♡
もっとお手伝いしても良かったのだけど、お気遣いくださったのか、早々に畑から出て、なんとランチに連れて行っていただきました!!
お父さんのお友達がやっているビストロ「クイジニエ」さん
https://tabelog.com/yamagata/A0605/A060504/6009184/
お父さん曰く人柄が良過ぎて(^^:)とっても苦労なさったシェフだそう。
パンもパスタもケーキも自家製!全てがあったかくて優しくて安心する味。
シェフの人柄がこのプレートにつまってる♡
これで1,000円って…有り得ん!
工房からの道中、そしてランチをしながら、話を聞いておとうさんの人となりを知って行く。
ここでも目的は紅花だけじゃないんだな、このおとうさんとおかあさんに会いに来たんだな、と納得。
わたしの旅の目的は、「人に会う事」なんだとだんだん腑に落ちて来た。
工房へ戻り、さらにお話を聞かせていただく。
鈴正さんは延喜式という書物にあるとおりに染液を作っていて使うものも全て天然物、自家製。
元々化学染めの染色家だったけれど、紅花国体を機に伝統的な紅花染めの復活に尽力を尽くして来たのです。
これが延喜式のとおりに作った紅餅。
見て、この色。
この紅の色に、わたしはすっかり心奪われて〜♪
紅餅、紅花の種、村上堆朱の箸。
この堆朱の色もたまりませんなー!
日本の紅色。(原産はエジプト)
これぞ古色の美ですな。
いよいよ工房見学。
自作の梅酢や果物の発酵液(もちろん人間の飲み物じゃなくてw紅花の発色のためのものです)味見もさせていただきました。
おとうさんは無農薬の夏みかんの樹木オーナーになっていて、その木に成ったものは全て送られて来るんだって。
「だから、数量にばらつきがあるんだ。豊作のときは食べきれないくらい送られてよー」。
もちろん食べて美味しい果実を、染めのために惜しげも無く使うのです。
発酵させて乾燥した紅餅を再度「生きている液」にして、染める。
「生きものを扱っている」愛とこだわりが半端ない…。
実際に紅花液に手を入れさせていただく。
紅花には血行を良くする作用がある、からか、冷たい液なのに手がポカポカするじょ!
おとうさんが着ている作務衣
藍と紅花で染めて、この色。むーんたまらん。
これ、これ、この紅色ですよ…!!!!!!
草木染めで赤、といえば茜が代表かもしれない。
茜染め体験をしたとき、綺麗だなと思ったけど、こんなに心が魂が震えることは無かった。
紅花の、どの部分にわたしは反応しているのだろう???
発酵、かなぁ。。。。
その後はお父さんの素晴らしい作品たちを見せていただいて…
またしても興奮がおさまりません!!!!
真綿の布団に紅花染の布団カバー
ヤバすぎて「モウ、コレハ、ワタシノモノデス…」とか言い出して完全にテンションおかしい(笑)
これに包まれて眠りたいーーーーーーーーー
10ねんローンを組んでも欲しい一品でしたが「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせ
無造作に置かれるお宝を眺めつつ
テンションMAXの着物女子
シルク×紅花やべーっしょ!!!!
もう、あれもこれも欲しいのですが
まずは肌着と湯文字を作るためにガーゼ&絹反物(もちろん湯文字分だけ!)を購入させていただきました。
おとうちゃん、買ってくれてありがとうー!
多分、まともに買ったら手の届かないお値段。
買うほうとしては非常にありがたいけれど、この手間ひま見てたら、鈴正さん、もっと高価でも良いですよ…と…
お父さんは「職人が儲けては駄目なんだ」なんておっしゃる…
そしてこの技術を継ぐひとが居ない…
誰か!誰か弟子入りしませんか!?
わたしが学びたいくらいだけど、わたしは職人にはなれまへん…
町や県が人材育成に力を入れないと、本当にこの技術が無くなってしまうよ…
最後にみんなで。
お父さんもお母さんも
「自分ひとりが良くなったってしょうがない」
「ご縁が繋がって、みんなで良くなっていくんだ」と何度も言っていて…昨日の大森さんの言葉と重なっていく。
わたしたちがこの旅で一番学んでるのはこういう生き方、生き様なのかもしれない。
夏には花が咲いて、花摘みをして紅餅をつくる。
「そのときに、また来ます!おとうさんの紅花染めを教えて下さい!!」と
相変わらず図々しいというか怖いもの知らずというか
勢いで申し出てしまった。
(そして、このブログを書いている時点でもう出発は迫っているのであった…)
せっかく群馬で沢山の染料植物を見たけれど
わたしはもう紅花一本で良いかもしれない。
同じ発酵の藍ですら、あまり興味が無くなってしまった。
それほど『紅花染め』に、わたしは心奪われたのだ。
自分で作った糸や布を、この生きている紅で染めたい。
わたしは、紅花染めをやりたい!!
このあと、紅花資料館も行ったけど電池切れで写真無し!(どっちにしても撮影禁止だったけどw)
紅花採取から流通までを「織り」で表現した着物とか、お父さんの若い頃の映像とか、口紅の作り方とか、イロイロ面白かったです。
口紅もつくってみたいな。
紅花だけじゃなく郷土資料館みたいにもなっていて建物も素敵だったので今度は天気の良いときにゆっくり巡りたいなー。
夕方、山形を出発して岩手にむかう。
これまた超絶面白い展開になるのだけど、、、
岩手でのはなし
つづきはまとめて、この次に。
つづく。