チセを建てる〜その二 木の伐倒
チセづくり、祈りが終わって許可を得て、いよいよ実務開始です。
今回はたくさんのひとに知って欲しい、関わって欲しい、ということで
わたしが理事長をつとめる
NPO法人ハチドリ でのワークショップ形式にしました。
となると
ただ適当に「さ〜そこの木を倒すか〜」てなわけにもいきませんので、
プロ、講師をお呼びして、しっかりと学んでいただきます。
今回集まってくれたのは高校生からめんこい女子まで全道各地から8名。
道内でもアイヌ人口が一番多い土地です。
二風谷でシケレペ農園を営む農家であり学芸員の資格も持つ、自称「マルチ百姓アイヌ」の貝澤太一さんから
まずは「チセとはどういった建築物なのか?」を教えていただきます。
一番大切な幣場の方向、二風谷の場合は東向き。
チセを建てる時は一緒につくるものとして、食品庫、熊檻、便所、物干しなどがあります。
太一さんのおじいさんが建てたというハイブリッド(茅葺き&板葺き)チセを見せてもらったり
外はトタン屋根×板葺き
中は茅葺のチセ
ダムに沈んでしまったチセは、川上にむかって建っていたそうで
そもそも絶対東向きであるわけではなく、
「なにを大切にするか」で幣場の位置も変わる。
二風谷の場合は、山に向かう、川上に向かう、東向きであるが全て揃っているので問題無いわけですね。
ダムの脇には茅が生えていて「次回はこれを刈るんですよー」で盛り上がる。
茅刈りって楽しいのでは???
最後にみんなでチセの前でパチリ。
太一さん、ありがとうございました!
木を倒す現場へ移動、今夜みんなで宿泊するチセで昼食。
今日から参加のみなさまは各自持参していただき、
昨日から泊まっていた我々はレラさんの作ってくれたごはんをいただきました。
腹ごしらえが済んだら、いよいよ午後の作業!
プロきこりの指導による「木の伐倒」です!!
午後の指導は昨日、木への祈りもご一緒してくれた
の清水さんです!!
「チェーンソーを使ってみたいひと?」
4名がチャレンジ!!
男子高校生、初めてのチェーンソー姿決まってます!!
わたしを含め「いや、チェーンソーはいいっす」チームは既に倒れている木の皮むき作業。
『木の皮を剥く道具』というものが存在することも初めて知りました!
わたしはどちらかというと鉈のほうが剥きやすい氣がしました。
鉈派と剥き器派と分かれるようです。
剥く作業が思いのほか楽しく(綺麗に剥けると気持ち良い!!)夢中になってるすきに、既にけっこうな数の木が倒れている!
それらを引っ張って移動して(これまた重労働)
みんなで剥き剥き…
あとはひたすら
清水さんが倒す
移動する
枝をはらう
皮を剥く
を交代しながら、作業を進めて行きます。
「Myチェーンソー」を手に入れてご満悦の夫も
玉切り作業をがんばります!
ひたすらひたすらそれを続けて、あっという間に日が暮れて。
冬は暗くなるのが早い!作業もスピード勝負。
一日中外での作業、夜は温泉でからだをあたためて。
風呂上がりにはビールをきゅっと。
労働して風呂入ってビール、最高すぎる!!!!!!!!!
今夜はほとんどのかたがチセで就寝。
みんなで火を囲んで語らう。
冬のチセはかなーーーーーり寒い!!
それぞれに想いをのせて、おやすみなさい。
翌日。
母屋でレラさんの作ってくれた朝食をいただき、すぐに現場へ。
二日目はみんな慣れて来て、作業も早く、余計なおしゃべりもなく、黙々とそれぞれが作業を進めます。
初日は体調不良で来れなかったポンペさんも到着。
指示が飛び交い、一気にムードが上がります!!
昼食はレラさんお手製鹿肉カレー!
薪ストーブで煮込まれたトロトロのカレーは絶品でした♡
昼食時にポンペさんから身の上話を拝聴したり
なんとムックリの演奏まで聴かせてくれました!!
午後はあっというまに暗くなる〜!
早急に作業を進めます
チェーンソーの音が止む事が無い森の中。
次々と倒れる樹々。
あるときは、刃を入れた木がアパートのほうへ傾き
全員が息をのむ瞬間も。
「お願い!そっちへいかないで!こっちへ来て!!」
それでも
清水さんと相方なこちゃんの素晴らしいコンビネーションで
ちゃあんと木は狙い通りの場所へ倒れた。
すごい!!!!
ドキドキ
ハラハラ
感動。
この日も暗くなるまで清水さんは木に登り木を倒し
全力で仕事をしてくれた
見守るわたしたちとしろくなっていった樹々
はてなで動画をアップできないのが本当に残念。
木が倒れる瞬間は、生で見る&聴くともの凄い迫力!!
こうして
眠っていた木が
伐られて倒れて
わたしたちの手によって
家になっていく
木も
わたしたちも
それぞれに想いをのせて。
あっというまに日が暮れて
今回のワークショップは終了。
いや、まだだっけ。
最後に、チセで
この二日間、無事に終わった事に感謝し
見守ってくださったイナウを燃やす。
最後にまたみんなで。
倒した木にサインしてもらったり
この木はどこのどの部分になるのかみんなで相談したり
この木は絶対わたしが綺麗にするとこだわって剥いたり
こうしてみんなの気持ちが
チセにこもっていくのだと思うと
わたしたちも胸が熱くなります。
参加してくれたみなさま
ほんとうにありがとうございました!
でも、使う木はまだまだ足りません(汗
作業はこれからもつづきます!!
つづく